逆流性食道炎は、別名「胃食道逆流症」または「GERD(グレード)」とも呼ばれ、胃の噴門と呼ばれる入り口の締りが緩くなってしまったことにより、胃酸が食道へ逆流し、粘膜の炎症が生じます。
胃の中に送り込まれた食物が、食道に逆流するのは何故なのでしょう?
詳しく知っていくには、食道と胃がどのような働きをしているのかを知るところから始める必要があると思われます。
それでは食道と胃の働きをご説明していきます。
食道は、長さは約25m程度の管状の消化管で、咽頭から気管・心臓の後面と脊柱の前面の間を下降し、横隔膜に開いた孔の食道裂孔を通って、胃の噴門という食物の入り口に繋がります。
食物が食道に入るのを確認すると、収縮していた上部食道括約筋の働きが弱まり、蠕動運動(ぜんどううんどう:消化管運動のこと)で使われている輪状筋が作用します。
胃までの通り道は、細くなっている狭窄部が咽頭から食道に繋がる部位、気管支の後面部、裂孔のある横隔膜を通過する部位の3箇所にあり、喉を詰まらせるのはこの狭窄部位と言われています。
また、食道腺という部位が食道粘膜に粘液を分泌し、食物を胃へ送る働きを滑らかにしています。
胃は食道から続く消化器官の一つで、胃の先にある腸での消化や吸収が行われる前準備の役割があります。
胃は入り口と出口があり、入り口を噴門、出口を幽門と呼ばれています。
入り口である噴門は、食道から食物が入ってきたときにだけ開口し、逆流しないように噴門の筋肉である括約筋が調節します。
幽門は、胃で泥状になった食物を少量ずつ十二指腸に送ります。
また胃庭部という胃の上部には食事の際に一緒に飲み込んだ空気が貯留しやすく、その気体がげっぷの原因となります。
胃液(胃酸)には塩酸とペプシンという酵素が含まれています。塩酸は金属を溶かすほどの強力な酸性で、ペプシンは胃に運ばれたタンパク質を消化します。
これらの他にも胃の中にはアルカリ性の強い粘液も含まれていて、このアルカリ性の粘液が塩酸を中和し、ペプシンの働きを抑え、胃の表面をコーティングし守ってくれているため、強力な酵素であっても胃が自らを傷つけないようになっています。
食道炎は、逆流性食道炎・特異性食道炎・非特異性食道炎・加齢と萎縮・膠原病などがあります。逆流性食道炎は、胃液などの消化液が食道へ逆流したことによって起こる食道炎であり、特異性食道炎は真菌やヘルペス、結核などが原因となり発症する稀な食道炎です。
非特異性食道炎は、急性咽頭炎から感染の影響を受けたためだったり、刺激の強い食べ物を多く摂取したために起こります。
逆流性食道炎の治療薬であるプロトンポンプ阻害薬で内服治療を行っていても、症状が治まることのない人を難治性逆流性食道炎と分類しています。
逆流性食道炎罹患者の10%くらいは、阻害薬の効果がない難治性逆流性食道炎とされています。